大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)55 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士大貫大八の上告理由第一点について。

しかし、本件のように代理投票における投票について、その投票が何人に対して

なされたかを取り調べてならないこと、従つてその調査によつて始めてその正否を

判断できるであろうような主張はそれ自体採用できないものであることは当裁判所

の判例の趣旨とするところであるから(昭和二三年(オ)第一二三号、同二五年一

一月九日第一小法廷民事判例集四巻一一号五二一二頁以下参照)、右と同趣旨に出

でた原判示は正当である。所論は独自の見解でしかなく採用できない。

同第二点について。

しかし、原判決挙示の証拠に徴すれば所論投票用紙の抜取りもまた、不正投入の

事実もなかつたものとの原判決の認定は是認でき、そこに何らの理由不備も認めら

れない。所論は結局原審の専権に属する事実認定の非難に過ぎないものであつて採

るを得ない。

同第三点について。

原判決が所論一一票は所論投票管理者が立会人もなくして、自ら代理投票をした

ものであるから無効のものではあるが、本件のように当選者と落選者との得票差が

一八〇〇余票も上廻つている場合は、右無効投票の故に選挙の結果に異同を及ぼす

虞あるものとは認められないとした判断は当裁判所もこれを正当として是認する。

所論は右にいわゆる選挙の結果に異同を及ぼす虞れあるとは形式的に票数の計算に

おいてのみ判断すべきでなく、選挙管理が著しく不公正であつて、もし正当な管理

がなされたならば別な結果を生じたであろうと推定される場合をいうものであると

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いうが、本件の場合前記代理投票の故に選挙管理が全体として著しく不公正であつ

たと推定しなければならない根拠は認められない。それ故所論も採用し難い。

同第四点について。

しかし、原判文によれば鑑定の結果Dの筆跡の投票が一一票あり、投票の抜取混

入が認められない以上、同人が代理投票の補助をしたものと認められ、一方投票録

に同人が代理投票の補助をした旨の記載がない以上投票録の脱漏誤記を推断するの

は当然である。従つて原判決に所論の違法ありとする所論も採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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